コーヒーのサプライチェーンを再定義する!産地でコーヒーを焙煎するのが何故タブーなのか



貧困削減におけるスペシャルティ・コーヒ-の必要性と限界


アメリカのNGOテクノサーブによると、世界中には1000万世帯ほどのコーヒー農家がいて、そのうち80%もの農家が一日2ドル以下の生活をしています。2000年代に入ってから「スペシャルティ・コーヒー」という、コーヒー農家からより高値で買い取った高品質なコーヒー豆の流通が日本や世界中で増え始めました。結果、最近では弊社の様に、スペシャルティ・コーヒーを農家から買うことにより、貧困削減に貢献しようという会社が現れ始め、私もこの動き自体は世界のコーヒー業界にとって必要だと確信しています。


しかし、スペシャルティ・コーヒ-が貢献できる農家の貧困削減には限界があります。900万世帯近くのコーヒー農家は「スペシャルティ・コーヒ-」を販売できておらず、また農作物であるコーヒーの品質は、天候や病害虫の発生、そして農家の健康状態に大きく依存します。

産地で加工をすれば収入が6倍に増える!


そこで、コーヒー農家の貧困削減への新たな施策として私たちが考えついたのは、これまでは日本で行われていたコーヒーの焙煎とパッケージングの工程を、コーヒー生産国で行うということです。産地でより高い付加価値を付け輸出することで、コーヒー輸出業者の販売価格は8倍程度に、そしてコーヒー農家の収入も6倍以上には増やすことができると期待されます。もちろん、焙煎やパッケージングの工程での雇用も生まれます。


日本でこの新しい産地焙煎コーヒーのムーブメントを起こすために、同じ志を持つコーヒー起業家をアフリカで探していました。そこで出会ったのでが、ゴリラ・ハイランズ・コーヒーです。ゴリラ・ハイランズ・コーヒーは、マウンテンゴリラの保全とコーヒー農家の生計向上を目的に、スペシャルティ・コーヒ-生豆と焙煎コーヒーを販売する、一風変わったソーシャルビジネスです。しかし、コーヒー生産国でコーヒーを焙煎し輸出することは大きなタブーとされています。


何故タブーなのか


それでは、何故これまで産地で焙煎されたコーヒーが日本などの消費国へ輸出されなかったのでしょうか?関税やロジスティックスの問題などもありますが、大きく分けて次の3つになります。


1.コーヒーは焙煎したてじゃないと美味しくないよ


焙煎されたコーヒーが一番美味しく飲めるのはいつでしょうか?色々な方々が様々なことを言っているので、はっきりとした答えは不明ですが、スペシャルティ・コーヒー関連ビジネスは、コーヒー豆のポテンシャルを最大限味わうのは焙煎後1カ月以内と言っているところが多い印象です。ウガンダから空輸で日本へ輸出すると1週間程度で成田空港へ到着します。弊社は、少量を頻繁にウガンダから輸入することで、鮮度の問題を解決しています。


2.ロクな焙煎機が無いんでしょう?


コーヒーの味を決める大きな要因のひとつは焙煎です。焙煎機によって、コーヒー豆が持つポテンシャルをどれだけ引き出すことができるかが変わってくるのですが、ウガンダには世界最高峰と言われる、ドイツのプロバット社製の焙煎機があります。プロバットは日本や欧米の有名コーヒー焙煎店でも導入されている、世界が認めるブランドで、もちろんゴリラ・ハイランズ・コーヒーの豆はプロバットで焙煎されています。


3.焙煎士の腕が良くないと、美味しいコーヒーは焙煎できないよ


コーヒーの味は上述の鮮度や使用する焙煎機のスペックにより変動しますが、焙煎機を操作する焙煎士の力量によって良くも悪くもなります。認めなければいけないのは、日本の有名コーヒー焙煎店で、カリスマ焙煎士の下で長く修行を積んだ焙煎士たちの腕に敵う人材はウガンダにはまだ居ません。しかし、出荷前に全量品質確認が行われている体制が整っているので、焙煎に失敗したロットや低品質なコーヒー豆が出荷されるリスクは最小限に留められています。

ウガンダで、コーヒー農家へスペシャルティ・コーヒ-を生産するための支援をしながら、精製や焙煎工程で品質を担保することは容易ではありません。しかし、これまで低価格や生産の困難さで報われてこなかったコーヒー農家の方々にとってコーヒー産業をより儲かる産業にするため、そして日々の暮らしで工夫をしながらお金を工面する消費者にさらなる負担をかけずにこの最もフェアなサプライチェーンに参加していただくために、BMP Japanとウガンダのパートナー、ゴリラ・ハイランズ・コーヒーはこれからも品質向上と生産管理の改善に取り組んでいきます。

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