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伸びしろがスゴい、農家が行うコーヒーの精製


右のおじ様に英語から現地語へ通訳してもらいながら、コーヒーの精製について説明した

伸びしろがスゴい、農家が行うコーヒーの精製


ウガンダはキゲジ地域のコーヒー農家の人々は、コーヒー生産に必要なインフラを一切持っておらず、ナチュラル製法という、収穫したコーヒーチェリーをただ地面で乾かすだけの、最も原始的な精製方法を行っています。ナチュラル製法に対して、高品質な豆が作り易い水洗式は、収穫したチェリーの果肉を剥がした上で、発酵と乾燥を行うという少し手間がかかる精製方法です。しかし、より高値でコーヒーを売ろうとするのであれば、最も有効的な方法でもあります。ゴリラ・ハイランズ・コーヒーはコーヒー農家へ、コーヒーチェリーの脱肉に使うパルピングマシーンを寄付し、発酵槽や乾燥棚を設置することで高品質なコーヒー作りのサポートを開始しています。

BMPが2019年6月に行ったコーヒー精製技術トレーニングに参加した20名弱のコーヒー農家の方々の眼差しは真剣そのものでした。海外のバイヤーが村まで来て、コーヒー市場の話や精製方法を改善するコツなどを聞く機会は無かったと言い、たくさんの技術的な質問が出ました。この地域の収穫期は10月頃にピークを迎えるため、まずは今年、パルピングマシーンを使い水洗式のコーヒーを作ることを目指し、来年には小規模なコーヒー加工場を作ることを目指すとのこと。これだけ真面目で熱意があるコーヒー農家であれば、インフラさえ整えば美味しいコーヒーが作れるだろうな、と今後の事を思い期待に胸が膨らみます。

翌日以降も、コーヒー農家や農園をひたすら訪問し続け、コーヒーの加工に使用する水の成分の計測をしながら、現状の把握と改善方法のアドバイスなどを行いました。

トレーニングに参加したコーヒー農家さんたちと記念撮影。みんなシブい!

ウガンダのコーヒー。発見と課題。


ウガンダのキゲジ地域で訪れた農園で興味深かったのは、ficus telensisというゴムの木の様な木をシェードツリーとして植えていたことです。イギリスの植民地時代に、コーヒーの木と共に植えることを奨励されていたといい、今でもコーヒー農家の方々は、「これをコーヒーの木と一緒に植えるとコーヒーの生産性が上がる」と言います。他には、他産地同様にバナナの木やグアバ、アボカド、オレンジ、豆類などが植えられていました。訪れた農園はいずれも下草が刈られていて、マルチング(木の根元を葉っぱなどで覆う手法。土壌中の水分を保つことに役立つ)がされるなど、よくメンテナンスされていました。ゴリラ・ハイランズ・コーヒーの代表リチャードに、「良い農園だけ見せようとしてるんじゃないのー?」とツッコんでみても、「いや、この地域のコーヒー農家は本当にハードワーキングなんだ!」と。


一方、浮かび上がってきた問題は、やはり精製方法です。

リチャードがコーヒー農家へ寄贈したパルピングマシーンは4万円ほどする、最低月給が5000円ほどのウガンダでは高価な機械です。そこで、一時的な対処法として提案したのが、「アフリカンベッド」です。


リチャードが既に設置しはじめたアフリカンベッド。少し破れているが、コーヒー豆の乾燥には十分使えそう!

コーヒーチェリーを地面で乾燥させるナチュラル製法の品質が悪い理由は、コーヒーチェリーが地面と接触する部分の乾燥が進まず、発酵・腐敗することに原因があります。コーヒーチェリーと地面との接触部分を最小限に減らしながら、乾燥に必要な通気を確保できるのが、アフリカンベッドです。


アフリカンベッドはテーブルの様な形状をしており、表面にあたる部分にコーヒーチェリーを撒きます。テーブルの足は一般的な木材で作ることができますし、テーブルの表面にあたる部分は、建設現場などで使われるメッシュ状のワイヤーと、蚊帳などを使い作ることができ、お財布にとっても便利な機材なのです。アフリカンベッドで乾燥したコーヒーチェリーは、腐敗するリスクが減り、近年欧米や日本で流行っている、フルーティで高品質なナチュラル製法のコーヒーの生産が可能になります。


リチャードも既に、数か所でアフリカンベッドを設置しており、今後さらに数を増やしていく予定とのこと。ウガンダ産のフルーティで果肉感たっぷりのコーヒーができることに期待!

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